訪問販売のクーリングオフ
いくら訪問販売でも『いつまでも』、『何でも』クーリングオフができるわけではありません。
どういった条件があればクーリングオフができ、どのような場合にはクーリングオフできないのか解説します。
8日以内ならクーリングオフができる
クーリングオフができるのは、『契約書を受け取った日』から数えて、8日以内です。
勘違いされる方が多いので補足しますと、
- 契約書を受け取った日から起算 : 契約書に書かれた日付と違う事もあります
トラブルに発展しないためには契約書記載の日付から8日以内が望ましい - 取った日を第1日目と数えます
4月10日に契約書を受け取ったときは、4月17日までクーリングオフ可能 - 8日以内にクーリングオフの通知を発送すればよい
発送したのが8日以内なら、相手についたのが10日後でもかまわない
ところで、訪問販売の契約書には『厳しい決まり』があります。契約書が決まりを守っていなかったら、『まだ契約書は受け取っていない』ことになります。つまりいつまででもクーリングオフができるのです。
契約書の決まり
- 赤枠でかこまれた部分に
- 8ポイント以上の大きさで
- 8日以内ならクーリングオフできる事を
- 赤い色の字で
記載する事などが必要です。マジックで消したり、名刺を張って見えなくするのもダメです。
クーリングオフができる商品とは
訪問販売でクーリングオフができる商品や権利は『政令で指定された商品や権利など』だけになります。
こんな場合はクーリングオフできません
いくら上の条件を満たしていてもクーリングオフできないときがあります
- 海外にいる人への販売である場合はクーリングオフ対象外です
- 事業者同士の取り引きはクーリングオフ対象外です
(事業主名の契約でも、実態が家庭・個人使用の場合はクーリングオフ可能な場合があります) - 顧客に対する訪問販売はクーリングオフ対象外です
有店舗の業者の場合、ここ1年以内に1回でも取引があれば顧客への販売となります
無店舗の業者の場合、ここ1年以内に2回以上の取引があれば顧客への販売となります - 自分から業者を家に呼び寄せて契約した場合はクーリングオフ対象外です
ただし、販売目的を偽って家に呼び寄せさせた場合などはクーリングオフの対象になります。
例えば、販売目的を隠して『モニター応募』を装うなど。
クーリングオフを妨害された場合
訪問販売をクーリングオフしようと、業者に連絡を入れると
- 契約上、クーリングオフはできません
- 一度使った物を返品するなんて、なんと常識の無い人だ!
- 損害賠償が発生します。クーリングオフをしても支払う金額はかわりません
- クーリングオフをしないと言うまで何度でも会社に電話します!
など、クーリングオフを妨害される事があります。すべて違法な行為ですのでクーリングオフの効力は妨げられませんが、もし相手の言う事を信じたり、相手の恫喝に屈して、クーリングオフをしなかった場合には、さらに消費者を保護する規定があります。
クーリングオフ妨害を行った場合、あらためて『8日以内であればクーリングオフができる』と言った書面を消費者に渡さなければなりません。その書面を受け取ってから8日以内であればクーリングオフができます。
書面を受け取っていない場合、いまだクーリングオフの起算日がきていないのでいつでもクーリングオフができます。