内職商法、モニター商法

連鎖販売取引(マルチ商法)、特定継続的役務提供(エステ、パソコン教室など)では中途解約の制度が定められていますので相手業者の同意がなくても『一方的に中途解除』ができました。

しかし内職商法やモニター商法といった業務提供誘引販売には中途解約の制度がありません
契約を解除する場合には民法の原則通りに進めることになります。

民法の原則に沿った解約とは

契約をした当事者は、一方的に契約を解除する事ができません。契約を解除するためには

  1. 契約の当事者双方が、解約の意思を持っている
  2. 法律に決められている『一方的に契約解除することができる』場合に相当

のいずれかが必要です。相手が契約解除に応じれば話は早いのですがなかなかそうはいきません。

通常では、

などを主張し、債務不履行を原因として契約解除をします。

そして、契約解除となった場合は互いに現状に戻す義務を負います。つまり

  1. 受け取った商品は返品しなければならない
  2. 支払った金銭は返金をうけられる

ということになります。ただし双方とも相手に損害を与えている場合互いに損害賠償をしなければなりません

なお、業務提供誘引販売取引(内職商法、モニター商法など)では、業者が請求できる損害賠償額の上限が定められています。契約解除できた場合に、業者から損害賠償を請求されても、

  1. 商品が返還された場合は、通常の使用料の額(販売価格から転売可能価格を引いた額が、通常の使用料の額を超えているときはその額)
  2. 商品が返還されない場合は、販売価格に相当する額
  3. 役務を提供した後である場合は、提供した役務の対価に相当する額
  4. 商品をまだ渡していない場合(役務を提供する前である場合)は、契約の締結や履行に通常要する費用の額

これらを超える額は支払う必要がありません。

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契約解除の問題点

モニター商法、内職商法の場合、受け取った商品(パソコンや着物など)を返品できなければ消費者の保護にはなりません。『以後、貴社とは取引しません』といっても、既に商品を販売している業者にとっては痛くもかゆくも無く、消費者にとっては手元に高価な商品だけが残る結果となります。

『契約解除により、商品を返品』してこそ、消費者が保護されます。ところで契約書に

  1. 商品の購入や講座の受講
  2. 業務斡旋

がそろって記載されていれば良いのですが、それらが別個の契約になっている場合、消費者が『一見別個に見える契約だが、二つでひとつの契約である』事を証明しなければなりません。証明できなければ商品は返品できません。

また、仕事の報酬をもらえないといった場合、業務提供誘引販売取引業者が、
弊社の求める水準に達していないため、お支払できません』という言い分を消費者側で覆すのは相当の苦労が必要になります。

モニター商法、内職商法は、まだまだ消費者保護が不十分な取引といえるでしょう。

勧誘の広告には決まりがある

なお、業務提供誘引販売取引を行う業者は広告に

その他、細かに記載しなければならないことになっています。契約書や広告を隅々までながめ、もし不備があれば『クーリングオフ期間がまだ終了していない』として契約解除できる余地も残っています。

あきらめる前に、何か打てる手を考えましょう。