個人事業主の保護

クーリングオフの制度を利用できない場合として、常に問題になる『事業者間の取引』と言うものがあります。

クーリングオフの制度と言うのは
『基本的に契約において当事者同士は対等であるが、経験・知識が豊富な事業者が不意打ち的に一般消費者の無知に付込んで不利益を強いる事が無いよう』定められたものです。

また事業者間の取引では迅速性が要求されます。『クーリングオフ期間が8日間あるので、その後に商品を発送します』では商売になりません。
そこで、経験や知識を備え、迅速性の要求される事業者間、会社間の取引にはこれら消費者保護の制度は適用されないことになっています。

でも、ちょっと待ってください。全ての個人事業主が十分な知識を備えているでしょうか?
株式会社と言えど、父ちゃん母ちゃんでやっているところは五万とありますが、それらの経営者がすべて契約に対して豊富な知識を備えていると考えらるでしょうか。事業に関する商談ならともかく、不意打ち的に契約をせまられたら・・・

事実、知識・経験豊富な悪徳業者が、個人事業主の無知に付込んで
『個人としての契約にもかかわらず、事業主との契約』を装い、クーリングオフ逃れをすると言う事件が起きています。
最近では、個人事業主を対象とした高額リース契約の問題などがクローズアップされたのはご存知の方も多いでしょう。
そのような背景もあり一定の要件の元、事業社名での取り引きでも実質的には個人の契約と同等なものについてはクーリングオフ等の対象取り引きとされました。

個人事業主も ”消費者”になる!?

事業主相手、会社相手の取引でも、実態が『個人相手』の取引であるときは、契約者の名称に関わらず、クーリングオフ、その他の消費者保護の制度の対象となると言う見解が政府より出されました。

消費者の該当性

特定商取引法第26条第1項第1号では、「役務提供契約で、その申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る役務の提供」については、本法の適用から除外する旨が規定されている。しかしながら、「一見事業者名で契約を行っていても、購入商品や役務が、事業用というよりも主として個人用・家庭用に使用するためのものであった場合は、原則として本法は適用される」
(平成17年12月6日 経済産業省 通達)

つまり、一見事業者名で契約を行っていても、事業用というよりも主として個人用・家庭用に使用するためのものであった場合は、原則として消費者保護法の言う『消費者に該当する』ことを明示しました。

なお実質的に廃業していたり事業実態がほとんどない零細事業者の場合には、特に問題ない限り消費者保護の制度が適用されると考えられます。